宮×キッチン
「よかった・・・じゃあ、流しますね。」 彼女はホッとしたようにそう言うと、泡だらけの僕の頭にシャワーを掛ける。 彼女の細い指が僕の髪を撫でるように梳くと、 さらさらと流れる泡と一緒に、心のにへばりついていた嫌な気持ちが全て流されて、 後は彼女…
その場に一人取り残され居た堪れなくなった僕は、 ジャケットを脱いで無造作にソファに投げると、やけくそ気味にソファに腰掛けた。 ―いったいこの状況は何なんだ? 本来ならば、公務の後2人でデートを楽しむことになっていたから、 お付きの尚宮たちは皆…
「ああ・・・なんであんなこと言っちゃったんだろう。」 チェギョンはそう呟くと、ソファのクッションに顔をうずめる。 「シンくんだって、若くて綺麗な女の人にはすごくうれしそうな顔して笑っているじゃないっ!」 皇太弟としての彼は、いついかなる時で…
エンドロールが流れる。 横で鼻をすする音を聞きながら、画面に僕はまだくぎづけだった。 そして部屋の照明がつく。 「オイ。終わったぞ。いつまで泣いているんだ?」 「だって・・・・。」 彼女は鼻をチ―ンとかんで、僕を見上げた。 「いい映画だったね。ち…