大切なものは心の中に

チュジフン主演「キッチン」を中心とした作品の2次小説書庫です。

2014.11「ジギル&ハイド」鑑賞レポ〜2

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さて、舞台れぽです。

ずいぶん昔から、ずっと見たいと思っていた作品。
韓国ミュージカルに私を引き込んだのは、「DonJuan」。
でも、スンウさんのチョジギルのYouTubeに出逢って、その泥沼にハマってしまったのでした。
そんなわけで、私に取っては特別な作品。
それを、念願のチョジギルと、
一昨年からすっかり魂を奪われてしまったスンウさんのウンジギルが見れるなんて!
(そう言えば、なぜ、ウンテさんはパクジギルじゃないんだろうw)

舞台は、ジギルの親友ジョン・アターソンの話から始まります。
そう言えば、日本版のジョンは、
この間の『モーツァルト!』で、道化回しのシカネーダをやった吉野さんでした。

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このとき初めて見た吉野さんでしたが、
歌よし踊りよし演技よしのとても美しい道化回しぶりで、
石丸ジギルよりも、ハイドよりも、吉野ジョンに目がいってしまった私。

それが・・・韓国版は、こちらの方。

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とても歌がうまいと定評のある方。
「ジャックザリッパー」で、記者役をやった方なんですが、・・・えっとぉ(汗)

吉野ジョンと、あまりにも違いすぎて(涙)
それに、ずいぶんお歳が上で、チョジギルもだけどウンジギルに至っては、
あまりに歳が違う親友で、ちょっと違和感。

ああ・・・私の大好きなジョンはどこへ・・・?

そのジョンの回想から、舞台はスタート。
舞台中央に病床の父親を診るジギルが登場。

ウンジギルとチョジギル。
例えるとすれば、クリスタルと大理石?
キラキラと光り、シャープなウンジギル。
滑らかで、深みのあるチョジギル。

ウンジギルは、設定年齢は30前、もしくは30前半の若き医師。
とにかく若いんです。
キラキラピチピチ。今回初演だっていうウンテさんと重なります。

自分人称は「僕」(笑)
正義感が強く、一本気で怖いもの知らず。
そのくせ、研究以外のことは疎くて、ウブなの。

精神の病で人格を失った父に、
「ジュムセヨ、アボジ(お休みなさい。お父さん)」(語尾を上げる)と言うのですが、
慈しむような優しさの中に、小さな子どもが親に言うような少し甘えが含まれていてツボ。
何もできない年老いた父に、支えを求めている感じなんですよね。

それに対して、ソンウ先輩のチョジギルは、30代後半から40歳くらいの、
医師としても一番脂がのった時期のジギル。自分人称はもちろん「私」。
自信に溢れ、全てを包み込むような慈悲と優しさに満ちた非の打ち所のないチョジギル。

年老いた病床の父に対して、包み込むような言い方で、反対に語尾を下げるの。
「私が守ってあげます。」的な、上から目線なんだ。

《ジギルの研究》
その後、歌われる「 I Need To Known(知りたい)」〜「偽の仮面」は、
彼の研究の大元となるナンバーで、大好きなところ。


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こちらは「嘘の仮面」のアンサンブルの方々。
下が民衆、上が病院のお偉方とルーシー。
ルーシーはジギルを支援する名士の娘なので上なのね。

病院を出たジギルが、雑踏にまぎれながら、
父の病状とともに「人間の心、内面への探究心」を歌い上げるのですが、
身分差別や不平等な社会の中で、民衆の苦しみや欺瞞に触れ、
人の心の中にある「邪(悪)」に戸惑うんです。
恐れ、憎しみ、戸惑い、疑問を抱くジギルの心情がストレートに伝わり、
勇気を奮ってそれらに立ち向かおうとする姿が、
ウンテさんのクリアでピンと張りつめた高音とぴったりなのよね。

チョジギルは、父の病よりも、もっと大きな「社会」に対する憂いを持ち、
民衆のそれらから、人間の内にある悪に対し嫌悪を抱きながら、
それを受け止め、救おうと考えているような気がしました。

純粋で一本気なウンジギルと、懐の深いチョジギル。

人の心の痛みを知り、正義を信じるジギル。
自分の実験が、父や民衆を苦しみから救う唯一の方法だと考え、
自分の研究成果を生体実験で試したいと申し出るが、
病院のお偉方から、「神への冒涜」と罵られ、却下されてしまう。

お偉方に、必死の想いを伝えるジギル。
ウンジギルは、彼らにストレートにぶつかり反抗する。
彼らも、ウンジギルに対しては横柄この上なく、罵り方も半端ないんですよね。
却下された後、絶望感とやり切れなさに悪態をつくウンジギル。
そのストレートな感情が切ないのよね。

でも、チョジギルは、彼らをなだめすかしたり、笑みを絶やさない。
そのせいか、彼らの罵り方も少し落ち着いていて、罵ると言うより嘲るって感じ?
当たりの柔らかさには、どことなく、がまんやあきらめることも知っているようで、
そこに年齢差を感じますwww
でも、悲しみ笑いの方が複雑な切なさを感じます。


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《エマへの愛》
ここは一番はっきりしているところだと思うの。
この後の全てのことに繋がるんだけど、
愛情をどこに比重をかけるか、それによって話が全然違うものになるんですよね。

ジギルには婚約者のエマがいます。

とにかくウンジギルは、エマへの愛が一途なの。

エマへのまっすぐな視線。
彼女の手を取った時の嬉しそうな顔。
愛を確かめるような甘い歌声と、好きで好きでたまらないと言わんばかりのバックハグ。
そしてそのままキスしたい!・・・でも結婚前だから、がまんがまん。
で、そっと額にキス。

彼女が全て。
顔にそう書いてある(笑)

彼のドキドキが、こちらにまで伝わってきて、もう胸キュンなのぉ〜〜〜〜!
ああ、「ジギル&ハイド」って、胸キュンな愛だったのか〜〜〜!(?)

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こちら、ウンジギルの時のエマ、チョ・ジョンウンさんですが、
この方のエマは、気高く、慈悲深く、そして賢い。
ジギルだけを見つめ、彼を信じ、彼を包み込むような大きな愛を持つ女性なんですね。
だから、エマの方が上位(笑)
彼女を抱きしめるジギルに優しく手を添える彼女に萌えてしまうんだぁ。

そして、彼女に想いを寄せるジギルのライバルが自分に言い寄ろうとするのを、
きっぱりと拒否する彼女の手の仕草が、すごく素敵です。

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こちらがチョジギルの回のエマ、イ・ジヘ嬢。
チョ・ジョンウンさんよりも若い感じ?って言うのもあると思うけど、
こちらは、逆にチョジギルしか見えていないのよね。
ジギルの恋敵に言い寄られても、聞こえていないって感じ。

婚約式でも、彼女の方から彼に駆け寄り、
でも、チョジギルは、正直研究の方が気になってるって感じで、
彼女に声をかけられて、慌てて彼女の手を取ると、「愛しているよ」と優しく歌い上げ、
彼女を包み込むように優しくバックハグ。

ハグされたエマだったら、もうとろけちゃいますぅ。

《ルーシーとの出会い》
エマとの婚約式の後、バチュラパーティよろしく、
ジョンと他の友達に連れられて、ちょっといかがわしいバーへ行くジギル。

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セクシーな出で立ちの女の子に囲まれ、
彼女たちのセクシーなショーを楽しむ友達を横目に、
「こんなところに来たくなかったのに」とため息をついているのだけど、
その中心で踊るルーシーに、思わず目を奪われてしまう。

私はもちろん、踊るルーシーよりも、それを見てるジギルに目は釘付け。
ウンジギルは、目のやり場に困って、視線が泳いでいるんだけど、
いつの間にか、ルーシーに釘付けになっている自分に気がついて、
顔を赤らめ俯くところが、めっちゃかわいいの。
多分、エマへの罪悪感にかられてるwww

チョジギルは、最初は「見ちゃいけない」って下を向いているんだけど、
時々気になって、チラチラ見るのよ。
それで、「ああ、恥ずかしい。」と、また目をそらして手で顔をぱたぱたしてみたり。
ちょっとカマトト(死語)っぽいけど、それもまたかわいいんだよねぇ。

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ルーシー役はこの3方。
左のソニャさんが一番の大御所で、リサ嬢とリナ嬢は今回初めて。

さすがのソニャさんですが、実はウンジギルと一緒だったので、ちょっとお歳が・・・(笑)
たぶん、チョジギルとの方が合うと思うな。
リナ嬢のルーシーはとっても大胆な演技なんですけど、ちょっと場末な娼婦風が、
私の好みではなかった(苦笑)
リナ嬢は明るくて、ガールズグループのアイドルかと思っちゃいました。←実際そうらしいwww
でも、一途で可愛いルーシーは、私好きだなって思いました。

2人が初めて向かい合うシーン。
いきなり前に座られて、何を話していいのかわからずドギマギするウンジギルと、
軽いジョークを入れて、恋の駆け引きのような掛け合いをするチョジギル。
ルーシーに合わせながら上手にあしらう彼は、やっぱり大人。

「あなた、名前は?」
「ヘンリー。」
「ふーん、チョア。」←ここのチョア、「ああ、そう。」って言う意味らしいんですが、
           ウンジギルとソニャルーシーだと、
           「ふふ、可愛いわね。」って聞こえちゃって(爆)
           一人萌えてしまった私。(たいしたシーンではありません。)

終始エマのペースに振り回され、
うっかり(笑)キスをしそうになって我に返るウンジギル。
「と、友達として何かあったらいつでも助けになるから。」
そう言って名刺を渡して、あたふたと帰る彼に、
「もうっ!」と残念そうなルーシーがおもしろいんです。

優しくてウブなウンジギルに、ルーシーはキュンとしたはず。

チョジギルは、キスの寸前まで言ったところで、
「やめておこう。」と、ルーシーを優しくあしらう。←この辺、ヤバいくらいにたらし。

それで、「友人としてならいつでも助けるよ。」と言われたら、
ルーシーなんてイチコロね。

どちらのジギルが好きか。
それはもう、好みの問題なのです(笑)